実験ノート③イナワラからDNA抽出はできるの!?
お題; (`Д´) イナワラ(乾燥した組織)からDNA抽出ってできるの?
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今回は”乾燥した組織;イナワラ”から乳鉢など使用せずに簡単でラクにDNAを抽出する方法を紹介します。PCRを目的としたDNA抽出法なので、「とにかく大量にDNAを取りたいっ」という場合には向いていませんのでご注意ください。
゜。°。°。°。°。°プロトコール。°。°。゜。°。°。°。
1. イナワラ10 mgをハサミで2-3 mmの大きさに切り刻み、1.5 mlチューブへ入れる。
←こんな感じ
2. DNAすいすい-Wを360 μℓと抽出補助剤40 μℓを上記チューブへいれる(さらにキット内に付属の添加剤を40 µl加えてもOK)。
3. 1,000 μℓ用チップの先をライターで炙り、先端の穴が閉じたもの(簡易ペッスル)を使用して1.5 mlチューブ内で試料を破砕する。(チューブ内で簡易ペッスルをグリグリと回しながら押しつける感じ)
4. さらに、バッファー360 μℓと添加剤40 μℓを上記チューブへいれ、混合する。
5. 65℃で15分インキュベーション。(15分間の間に1-2度、エッペンチューブを上下に転倒混和するとよい)
6. インキュベーターからサンプルを取り出し、室温に5分間静置。(←直後にフェノール・クロロホルムを添加し、混合するとエッペンチューブから液体が漏れることがあるので、安全性のため冷却します)
7. フェノール・クロロホルム(1:1)を500 μℓを加え、よく混合する。
8. 15,000 rpm×10分間、遠心分離を行う。
9. 上清500 μℓを新しい1.5 mlエッペンチューブに移し取り、等量のイソプロパノールを加えて混合
10. 15,000 rpm×10分間、遠心分離を行う。
11. 上清を捨て、1,000 μℓの70% EtOHで沈殿を洗浄する。
12. 15,000 rpm×10分間、遠心分離を行う。
13. 上清を捨て、清潔なパーパータオル上でチューブを逆さまにして立てておき、風乾する。(乾燥させすぎるとDNAが水に溶けにくくなるので注意する)
゜。°。°。°。°。°結果。°。°。゜。°。°。°。
<分光光度計によるDNA濃度測定>
微量測定用のセルがないのですが、なんとか頑張って測定してみました。
<アガロースゲル電気泳動によるDNAチェック(1% agarose)>
↓DNA 15μℓを泳動 ←高分子のDNAから分解されかかった低分子のDNAまで見えてます(ワラなのでインタクトのDNAはとれません)。
<イナワラから抽出したDNAを使用したPCR実験>
・3種類の増幅産物の長さが異なるプライマーセット(500 bp, 400 bp, 214 bp)を使用してPCRを行いました。
・各プライマーセットそれぞれについてDNA濃度を50 ng, 25ng, 12.5 ng, 6.25 ng/15μℓ PCR反応系あたり に変化させてPCRを行いました。
↑いずれのプライマーセットにおいても、DNA濃度においても目的遺伝子の増幅が認められました。
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